転妻×これからのキャリア vol.2

しごとも家族も放さない!
~転勤族でもキャリアをつなげた女性たち~

会社の制度を活用

夫の転勤と「自分のキャリア形成」をどうするか・・・。私自身もこの問題に悩んだ一人です。ただ、最近では企業の制度も整ってきています。例えば、帯同転勤。帯同転勤は、パートナーの勤務地の近くに異動できる制度です。また、一度退職を選択した人の復職を後押しする再雇用制度や配偶者同行休業制度を取り入れているところもあります。配偶者動向休業制度は、2014年に国家公務員・地方公務員に適用されてから、民間企業にも広がった制度です。
パートナーの転勤が決まったとき、自分の会社がどのような制度をもっているのか、調べてみて自分にとってのベストな道を選択できるといいですよね。

起業してステップアップ

転勤族の妻は引越のたびに生活環境を整備するところから再スタートするので、自分のキャリアまでたどり着かないのでは? と不安に思っている方もいるかもしれません。でも、転勤している期間をスキルアップの時間と捉えて、自分をステップアップさせている人もいます。
キャリア図鑑に掲載されている、吉枝ゆき子さんもその一人。吉枝さんは3回の転勤と3人の子どもの子育てを経て、ウェブコンサルティング会社を起業しました。
吉枝さんはSEとして働いた後、パートナーの異動に伴って関西から静岡に転勤。会社にかけあって転勤先でも在宅ワーク社員として以前と変わらない待遇で働き続けました。社員であったため、子ども3人を保育園に預けることもできたそうです。
また、静岡で参加した女性起業家セミナーに参加したことで「起業」という働き方を目指すようになり、起業コンサルタントの元で働いた経験が今のしごとにつながったといいます。そして現在、男女共同参画センター横浜の「女性起業UPルーム」で女性起業アドバイザーとして、起業したい女性の相談に対応しています。
その他にも、何度も引っ越しをする中で身につけた「片付け」という技術や経験をベースに「片付けサービス」として起業する人や、住んでいるエリアが変わっても仕事が続けられる形としてネットショップを立ち上げる人もいます。オンラインや通信講座で英語など得意な分野の講師になる人もいますね。
そして、クラウドソーシングの仕組みを使いながらやデザイナー、プログラマー、翻訳やライターなどフリーランスとしてしごとを受注しながら経験を積み、その後、起業という形にステップアップする人も。
元記者の女性ライターズユニット「Smart Sense」副代表の宮本さおりさんは、フリーランスでキャリアを積んだのち、起業しました。宮本さんは、12年で5回の転勤と二人の子どもの子育てをしながらフリーランスのライターとして働き続けています。
地方新聞の記者として3年働いた後、結婚を機に専業主婦になった宮本さんは、パートナーがアメリカの大学院に進学したことで、子どもと二人きりの生活がスタート。当初は「なんで私こうなっちゃったんだろう」と落ち込むこともあったようです。
その後渡米し、ボランティアで記事作成やインタビューの依頼を受けるようになったことで、しごとの勘を取り戻すことができ、日本に帰ってきたときもその経験が活きたといいます。現在は、東洋経済オンライン・AERAなど人気媒体でライターとして活躍。ナチュラルに自分らしいしごとを選択するために、平日のうち3日働き、二日は休むというスタイルを取っています。柔軟な発想で自分にあった働き方を模索しているんですね。
子育てや転勤があるから無理とあきらめず、将来を見据えて「今できること」から始めるのが大切です。

コワーキングスペースでクラウドソーシング

これまで新しい働き方としてリモートワーク、在宅ワーク、子連れ出勤といった働き方が注目されてきました。今、その流れが変わりつつあります。
これからは「保育付きのコワーキングスペースで、チームで請け負うクラウドソーシング」!
コワーキングとは、しごとをするための仕切りのないオープンスペースを有料でさまざまな人と共有する働き方をいいます。そして、最近ではオープンスペースに加えて保育室を兼ね備えるところも増えてきました。託児付きのコワーキングスペースは、子どもをみながらのしごとは集中して取り組めなくて難しい、けれど子どもを預けるところはない・・・でも働きたい!といった女性にとって、画期的なもの。横浜市にも、オクシイ(株)が運営している託児付きのコワーキングスペースMafficeがあります。
クラウドソーシングとは、インターネットを介して企業がライターやWebデザイナーなどのしごとを発注し、それを個人で請け負う働き方です。でも一人でしごとをしていると、一日誰とも話さないで過ごしてしまった、なんていう状況に陥りがち。それに家にこもってしごとをしていると、かえって疲れてしまって、効率が悪くなることだってあるでしょう。
その点、自宅から近い距離にある保育付きのコワーキングスペース行けば、同じ場所に来る人との会話も生まれ、転妻が抱えがちな「友達ができない」孤独感の解消にもつながります。また、お互い「得意」が違う仲間とチームを組んでしごとをすることで、大きなプロジェクトに取り組め、学び合えるというメリットもあります。ただ、仲間に提供できる「得意」がないとチームに入っていけないという厳しい面もあります。自分の強みを伸ばす努力を続けられるのが求められるのも、この働き方の特徴です。
最近では特に、このチームを作ってクラウドソーシングのしごとを請け負う、という流れがきています。そのためには全体のマネジメントをする人が必要で、このマネージャーを養成するための動きも、企業や兵庫県や島根県といった自治体のレベルでも出てきました。
これからは、コワーキングスペースとクラウドソーシングを導入している企業や自治体が提携をしていくと思われます。コワーキングスペースの企業利用が増えることで、女性の働き方は格段に変わるでしょう。これからは「保育付きのコワーキングスペースで、チームで請け負うクラウドソーシング」に注目です!

教えてくれた人・・・

パートナーの転勤等で6回引越し&9回転職し、大企業から零細企業まで9業界15社、正社員・契約社員・派遣社員・パート・アルバイト・個人事業主を経験。
2014年から「ワークスタイル・クリエイション」として起業し「女性の新しい働き方」を創出している。
また、1999年から続けている転勤族の妻の支援活動を元に、2014年から【地方創生×女性活躍推進】企画グループ「転勤族協会~TKT48~」主宰。
転勤&ITコンサルタント/産業カウンセラー/転勤族協会TKT48代表 奥田美和

転勤族協会TKT48代表 奥田さん
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