助成制度やピアサポートを活用しよう
がんの治療が一段落したら
治療が一段落すると、経過観察の期間となります。外来の通院が3ヵ月に1回や年に1回となり、治療前の生活に戻ると、受診することをついつい忘れがちになるものです。でも、これから先の安心のためと思って受診は続けてください。
リンパ浮腫などの後遺症については病院の看護師に相談することをおススメします。正しいセルフケアや症状を防ぐための方法を教えてくれます。リンパドレナージは、行なわない方がいいい場合もあるので、主治医に事前に確認してから行ってください。
がんに罹患し、治療した人にとって転移や再発への不安は当然のことです。でも時には病気のことを忘れて、気分転換してみましょう。わずかな時間でも好きなことに集中したり没頭したりすると、心だけでなく体の安らぎにつながります。
がんと診断された直後や治療を始めたころは、家族や周りの人も心配して話を聞いてくれますが、治療の経過が安定し療養生活が長くなると、なかなか話しにくくなってきます。このようなときに当事者の視点で話を聞き、支えになってくれるのが、患者会や患者サロン、ピアサポートなどです。医療者が提供できない、がんを経験した方でなければ理解できない気持ちや体験など共有することができます。こういったサポートを活用し、乗り越え方などのヒントをもらうことで、気持ちが楽になることも多いようです。自分ががんの治療で経験したことが他の誰かの力になることもあるので、自信を取り戻すきっかけとなることもあります。
気になるお金のあれこれ
がんの治療は高額です。がんが初めての大きな病気という人も多いと思いますが、抗がん剤には驚くような金額のものもあります。でも、あわてないでください。医療費の自己負担分には上限が設けられているほか、さまざまな助成・支援の仕組みがあります。まずは、各問合わせ先に相談しましょう。
高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払った金額が1ヵ月(1日から月末まで)で限度額を超えた場合に申請すると、限度額を超えた費用が払い戻される制度です。対象は1ヵ月間に支払った保険が適用される医療費(入院・通院・在宅医療など)です。対象外は差額ベッド代や入院中の食事代など保険適用外の費用となります。手続きは、加入している公的医療保険の窓口で申請書をもらうか、直接窓口に連絡して申請書を送付してもらいます。申請書に、医療機関からもらった領収書のコピーなどを貼り付け必要書類を添えて窓口に申請するか保険者に送付します。
高額療養費限度額認定証
医療機関の窓口で提示することで、窓口での支払額を限度額までに押さえることができる制度です。手続きは、加入している公的医療保険の窓口に申請を行い、限度額適用認定証を交付してもらいます。保険適用の医療を受けた時に、医療機関の窓口で限度額適用認定証を提示してください。
医療費控除
1年間に一定以上の医療費の自己負担があった場合、所得税・住民税が軽減されるしくみです。確定申告を行って医療費(交通費や装具などを含む)を申告します。所管の税務署に問い合わせてください。
傷病手当金制度
国民健康保険以外の各種健康保険に加入している場合は、傷病手当金制度が使えます。
4日以上連続で休業した場合、4日目から標準報酬日の2/3が1年6ヵ月までの間支給されます。勤務先の人事労務担当や加入している健康保険事務所で確認して下さい。退職した場合も傷病手当金の継続給付を受給できることがあるので相談すると良いでしょう。